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青木伸江建築研究所 Blog / 関西 大阪 堺市の女性建築家 設計事務所

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2011.06.27 Mon 風のこと

相変わらず気温は高いですが、今日は時折、気持ちのいい風が通り抜けてくれました。自然の風は本当に心地いいです。

そんな「風」ですが、快適に過ごすためにも、建物自体のためにも室内に取り込むことがとっても大事です。

通風を得るには、入口と出口になる2つの窓を対面する壁に設置すると効果的ですが、高低差をつけて設置しても期待できます。トップライトや天井付近のハイサイド窓を開けると、上昇して天井付近に溜まっていた暖気が排出されますので、自然と他の窓から新鮮な空気が入り込みます。

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もちろん、吹抜けや階段室も大きな高低差をつくり出しますので、この中や、ここにつながるスペースに窓を設けるのもとても有効です。
部屋毎に通風計画をすることはなかなか困難ですので、私はこの空間を利用したり、建具を工夫したりすることで、家全体で風のルートを確保できるように心掛けて設計しています。

2011.05.01 Sun 吹抜けのこと

突然ですが、「建築のこと」というカテゴリをつくってみました。建築一般で思うことなどを、気が向いた時にでも書いて行こうかと思います。

今日は、「吹抜け」

ブログを読んで下さっている方はご存知の通り、Ms HAUS(箕面の家)、Gk HAUS(岐阜の家)共に吹抜けがあります。

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限られたスペースの中で、空間に開放感と変化を付加してくれる吹抜け。他にも、窓から離れた1階の奥のエリアに自然の光を届けたり、風が流れる通り道になったりと、その魅力はたくさんあります。
しかし、欠点もあります。代表的なのは、暖房の効率が悪くなるということ。容量が大きくなる分、効率が悪くなるのは確かですが、床暖房や断熱など、この問題への対策も色々とあります。
もちろん、私が吹抜けを設計する際には、このような問題に注意を払っていますが、個人的にはいくつかの欠点があったとしても、長い時間を過す日常の空間が、より気持ち良く、そして楽しくなるのであれば、吹抜けを設ける価値は十分にあると思っています。

特に、家族が多くの時間を過ごすリビング周りに計画するのがおすすめです。
というのも、吹抜けによって上下階の空間がつながることで、リビングに近すぎず、離れすぎない、程良い距離感を保てるスペースが計画できるからです。そこは、家族の気配を感じつつも自分の時間を過ごせる、リビングと個室のちょうど中間のような場所となります。なんだか楽しそうではありませんか?
そして、このような場所に子供部屋を計画すると、自立しつつも、孤立感や閉鎖感のない、安心感のある部屋となります。